モノがなかなか捨てられない人に、こんな提案です。
思いきって、一番大事にしてきたモノをはじめに捨ててみる。
は?と何言ってるの、と思いますよね〜
だって、そもそも大事じゃないモノすら捨てられず困ってるのに。
えー!大事なモノから捨てる!?ありえな〜い!
・・・普通はそう思うはず。
しかし。だからこそ、逆転の発想で攻めてみる。
案外、うまくいくかもしれない!?
この方法を実行し、その後たくさんのモノを処分することに成功した方がいます。
それは、女優の中村メイコさんです。
一番最初に大事なモノを捨てさえすれば、のちのちどんなモノも気楽に捨てられるはず!と、捨て作業を始めたらしいです。
こんな本を読みました。
「大事なものから捨てなさい メイコ流笑って死ぬための33のヒント」
芸歴85年という、中村メイコさん(現在88歳)の著書です。
(※追記:2023年に逝去されました。享年89歳)
タイトル通り、終活に向けてのさまざまなヒントが綴られています。
私は過去に全捨離し、持ち物8割を手放し済みですが。
私の両親(80代半ば)、モノがいっぱいの部屋に暮らしています。
処分する気もない(笑)
親世代の目線で、どうしたら捨てやすくさせられるか。
この本からヒントをもらいたくて読みました。
モノが少ない時代を生きた親世代に、捨てることへのススメは難しい。
中村メイコさんの本には、そんな世代の”捨て方”のヒントになる、と思いました。
この記事では本をレビューしつつ、大事なモノから捨てることで断捨離が成功する方法を解説します。
大事なものを最初に捨てる理由
中村メイコさんは80歳の頃、大きな豪邸から夫婦二人、暮らしやすいマンションへ引っ越すことになりました。
大豪邸からマンションです。モノは減らさないと引っ越せない。
必然的に大量のモノを捨てなくてはなりません。
やはり引っ越しは断捨離の最高のチャンスですね!
その時改めて、先の人生を考えたそうです。
「このまま死んだら、子どもたちに迷惑がかかってしまう」
中村メイコ著「大事なものから捨てなさい」より
いよいよ決断の時が来たと思った。「ものをため込み、ものに囲まれる生き方」をばっさりやめるのだ。
そしてモノを減らす決意をしました。
しかし中村メイコさん、昭和のスターと共に芸能界を歩んできた方。
大スターたちとの思い出のモノ・宝物は山ほど所有していました。
宝物を捨てる勇気は、相当な覚悟が必要だったと思います。
その覚悟の証として最初に捨てたのは、中でも一番大切な宝物でした。
昭和の大スターだったエノケン(榎本健一)さんからもらったという、キューピー人形です。
戦時中さえ守り神のように肌身離さず、ずっと共に人生を歩んできた、大事なキューピー人形。それを最初に捨てたのだそう。
「今までありがとう。大好きだったよ」そう言って人形の頭を優しくなでていると、ぼろぼろ涙がこぼれてきた。戦時中奈良に疎開していた時も、この人形たちを肌身離さず持っていた。
中村メイコ著「大事なものから捨てなさい」より
幼い日から80代のその日まで、ずっとそばで見守ってくれたキューピー人形。
メイコさんにとっては「守り神」であったと語っています。
キューピー人形はメイコさんの人生そのものだったのかもしれません。
人形を手放すことは、自分の過去を手放すこととと同一の重みだったはずです。
しかし、メイコさんはこの人形からサヨナラすることを決意します。
なぜ一番最初に一番の宝物を捨てたのか。
その理由。
もし自分が死んだら、子供達が処分に一番困るモノだろう、と思ったモノだったから。
お母さんが大切にしていたモノ。確かに!
親が大切にしていたモノを、心痛まず捨てることはなかなかできません。
だからこそ、子供を困らせないよう、生きているうちに自分が処分しようと決意したといいます。
すごい!賢い選択だなぁ〜と思いました。
そうして泣きながらお別れした宝物。
その後は”あの人形が捨てられたのだから、大丈夫、これも捨てられるわ!”と、他のモノへも思い切れて処分することができました。
結果トラック7台分のモノを処分したそうです!
そして途中で気がつきます。モノはなくなっても、思い出は消え去らない、と。
感謝を込めて、モノとのお別れ作業ができたといいます。
元々簡単にモノは捨てられないタイプだったそうですが。
決意揺るがず最後まで片付けを遂行しました。
捨てる基準は「実用性」
中村メイコさんが捨てるときの基準を決めていました。
それは「実用性」です。
こんまりさんの「ときめきの片づけ術」と、比較しているのだと思います。
ときめくかどうかが捨てる基準。メイコさん、それは気に入らない!とのこと。
いるか入らないかは「実用性」が基準、とキッパリ。
自分でいいと思って買ったものなのだから、ときめくかどうかを考えていたら捨てられないのが当たり前。「高いヒールはもう履かないだろう」「舞台に出ないので、こんなに光る靴はもう使わない」というように、「使うかどうか」を考えて大胆にものを捨てていくのが私のやり方だ。
中村メイコ著「大事なものから捨てなさい」より
ここ読んで、同感!
私も捨てる基準は実用性派。
捨てる基準は実用性を!と以前記事にもしました。
自分のライフスタイルに合わなくても、実用性がなくても、ときめきを感じるモノは取っておく、なんて決めたら。
ほとんど捨てられなかったかもしれない。
ときめいていたら、捨てられない。
こんまりさん派の方には申し訳ありません〜
でも私はメイコさん同様、実用性基準一択です!
捨てた後、身軽になった
さて、処分し終えたメイコさんの心境です。
片付けてスッキリしたことでの効果に歓喜しています。
「ああ、これでいつでも死ねるー」
ガランとした部屋に立って、思った。この清々しさ、気持ちのよさは、片付けを頑張った私に神様がくれたいちばんのプレゼントだった。
中村メイコ著「大事なものから捨てなさい」より
これ、私も全捨離したとき同じことを思いました。
心に去来していたのは捨てたモノへの未練などなく、清々しい気持ち、ただそれのみ。
ものにとらわれる人生をやめたことで、人生がぐっと身軽になったのだ。そもそも年老いた心に、たくさんの思い出をつめ込んで生きることはできない。過去にすがりつく気持ちを断ち切って初めて、前に進める。
中村メイコ著「大事なものから捨てなさい」より
過去に寄り添うより、今と未来を生きる。
私も捨てることを迷った時に。
「あの世にこれを持っていけるわけでなし。今ココにいる自分さえいれば、いつだって幸せは掴める!」と、捨ててきました。
人の容量は決まっています。
パソコンの容量だっていっぱいになれば、動作も重くなりサクサク動きません。
それと同じ。
前に進んでいくにも、重ければ動きも鈍くなる。
運を良く動かすにも、重ければ良くは動きません。
人生が好転するために、自分の身の回りからまず軽くしてみる。
そのきっかけに、大事なモノから捨ててみるという方法。
なかなか捨てられないで悩んでいる方。
トライする価値はあると思います。
先の人生を謳歌したいのであれば、まずは身軽になることを先決に!